てらがよい日記

お寺という名の異世界に通って感じたこと

臆病者ザッカーバーグのせいで座禅に集中できない

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座禅会には毎回、色々な人が参加します。外国の人も必ず数名はいます。今日は男女1組がいました。このペアが気になって気になって、今日はまったく座禅に集中できませんでした、ええ。

 

うちの寺では座禅中に僧が回って、座禅をしている者の背中を木の棒で叩きます。これを「警策(けいさく)」といいます。叩かれるのは希望者だけです。警策を受けたい人は、僧が自分の前に歩いてきたら合掌します。これが、「警策してください」の合図です。

この警策の音がバッシーン!バッシーン!と、けっこうなものでして、初めて見た人はだいたい引きます。え?まじで?ガチじゃん?超痛そうなんですけど・・・と。

 

さて、本日参加した男女の外国人さん、ローマ帝国にいそうな(?)、大変お上品な顔立ち。男性の方はフェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグのイケメン版といったらいいでしょうか。

under30ceo.com

なので、ここでは便宜上、ザッカーバーグ、ザックと呼びます。女性はハンナとしましょう。

座禅が始まると、さっそく警策が行われました。バッシーン!と容赦ない音がお堂全体に響くと、ザックもハンナもびっくりして、なに?なにが起きてるの?みたいな表情で顔を見合わせてます。とくにハンナのほうは、警策が気になってしょうがないらしく、ずっとキョロキョロしてます。

しばらくすると警策の作法を理解したらしく、ハンナが警策を受けるために片手を遠慮がちに挙げました。ふつうは合掌するんですけど、その意気や良しです。

バッシーン!バッシーン!いい音鳴りました。

ハンナは満足した表情で隣のザックを見ました。そして、「ほら、あんたもやってもらいなさいよ!」みたいな仕草をしています。

さあ、次はザックか。僧が何度もザックの前を通ります。ところが、この臆病者のザックは一向に警策を受ける気配がありません!ハンナが先陣切って受けたというのに、この男は無傷で済ます気なのでしょうか。ありえない!僧が彼の前を通るたびに、ぼくは心の中で「合掌しろ!」と思うのですが、しらーっと座禅したままです。隣のハンナはしびれをきらしたのが、自らもう一度受けてました(2度目はちゃんと合掌してました)。

結局、彼は警策を受けることなく座禅を終えました。ザックってば、もう!

ぼくは薄眼でザックとハンナのやり取りをずっと見てました。傍目には動かず座禅してる様に見えてても、座禅が目指す無の境地から程遠かったことは言うまでもありません。ザックのせいにしていいですか?