てらがよい日記

お寺という名の異世界に通って感じたこと

「年をとったな。口が臭くて、恥をさらしてる」と言って褒める

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今日の座禅会の法話は、いままでで1位2位を争うおもしろさでした。題材は「無門関 第34則『智不是道』」。その内容を紹介します。

無門関 (岩波文庫)

無門関 (岩波文庫)

 

 

「智不是道」はすごく短いお話です。あるとき、南泉という偉い和尚がこう言いました。「心は仏ではない。智は道ではない」。それに対して、無門という和尚がこう言いました。「南泉和尚ともあろう人が、年をとって恥がわからなくなったのか。臭い口をして、恥を晒している」。

なんだこのヒドイ話は!

老師が説明するところによると、南泉和尚が言う「心は仏ではない。智は道ではない」

というのは、仏教の一般常識とは異なる考えたなのだそうです。心は仏、智は道。これが仏教。だのに、南泉和尚はそうではないという。そこで、無門和尚が、もうろくしたな!この恥さらし!とでもいうような暴言を吐いているわけです。

 

無門和尚は1183年~1260年まで生きた中国の偉い禅僧です。公案集「無門関」は、この無門和尚と古今の禅僧の間の問答をまとめたものだそうです。こんな話が禅宗の教科書として今に残っているなんてかなり驚きです。

 

でも、今日ぼくが一番驚いたのは老師の口から出た次の言葉でした。「これは、無門和尚は南泉和尚を大変に褒めているということです」。なんで!!!!?実は無門和尚の「恥さらし」発言には、次の続きがあります。「しかし、そうはいっても南泉和尚のこの言葉の意味を理解できる人は少ない」。これで褒めているそうです。

そうなの?ほんと?なにゆえ?

もうわけがわかりません。