てらがよい日記

お寺という名の異世界に通って感じたこと

安倍総理、中曽根元総理も座禅に通った「全生庵」の座禅会に参加しました

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政治家も通った寺で座禅体験

東京にある「全生庵」をご存知でしょうか?幕末の思想家・山岡鉄舟が建立し、近年は安倍総理や中曽根元首相も座禅に通った歴史あるお寺です。週刊誌でも紹介されていました。寺では誰でも参加できる座禅会を開いています。日曜日夜に行われた座禅会に参加しましたので報告します。

安倍晋三首相はこれまで、東京・台東区谷中にある寺院「全生庵」によく足を運んできた。幕末から明治にかけて活躍した幕臣山岡鉄舟が、維新に殉じた人々の菩提を弔うために建立した臨済宗の禅寺である。同寺院の住職で『「見えないもの」を大切に生きる。』(幻冬舎刊)の著者でもある平井正修氏が、首相が来た当時を振り返る。 「安倍首相は短命に終わった第一次政権の後、月に1度いらして座禅を組むことを習慣にされていました。第二次政権発足前には、石破茂さん(現・地方創生担当大臣)と連れ立って座禅を組みにいらしたこともありますよ」www.news-postseven.com

 

日曜座禅会への参加は時間厳守!

私が参加したのは日曜座禅会。毎週18時~20時の間に開かれます。初参加者は事前予約をして17時半までに集合です。参加料500円。

事前に調べていたときに、ある方のブログで17時半前に行ったらもう説明が始まっていたとあったので、ちょっと早めにいきました。17時20分到着。3,4人がすでにいました。お坊さんが一人いて、参加者にあれこれ指示をしてました。

お坊さんに怒られないよう!

はっきりいって、お坊さんはフレンドリーではありません。「ようこそ、座禅会へ」というウェルカムな対応を期待していると見事に裏切られます。ストッキングをはいてきた女性は「ストッキングも脱いでください。(座禅は裸足で行うと)ホームページに書いてあったでしょ」と厳しく注意されてました。17時半ちょうどに到着した若い参加者は「もう始まってますよ!」と怒られてました。「ここはお寺だということをわかってください」とお坊さんはプリプリしてました。

お寺は優しくありません!

たぶん、初めての人は引いちゃうんじゃないでしょうか。でも、これは全生庵にかぎったことではありません。私がいつも行く寺でも、そのほかの寺でも、けっこうお坊さんは無愛想で、けっして優しくはありません。私は昔は座禅している人は心穏やかで優しい人という印象があったのですが、これは大きなかんちがいです。お寺なんて超体育会系です。初心者には「禅カフェ」くらいがちょうどいいのかも。

zennote.hatenablog.com

 

初参加者の日曜座禅会のプログラム

2時間にわたる日曜座禅会は次のとおり進行されます。

17:30~

①1階で座禅の座り方と呼吸の指導、全体の進行、規則について(20分)

18時~2階に移動

②読経(15分)

③住職法話(30~40分)

④座禅(20~25分を2回)

⑤座禅後読経(10分)

⑥三拝

⑦茶礼

⑧座禅会終了後、1階へ戻って質問受付

 

①座禅のやり方の説明

20人の参加者でスタート。このうち座禅経験者は私ともう一人でした。まずは座禅の座り方と呼吸方法を教えてもらいます。説明は、まあ、可もなく不可もなく普通な感じですね。ちなみに私は「かなり(座り方が)きれいです」と2度ほめられました。

お堂でのルール説明などは興味深かったです。お寺には「三黙堂」とよばれる、会話をしてはいけない3つの場所があるそうです。座禅するお堂(座禅堂)、食事をする「食堂(じきどう)」、そしてお風呂だそうです。お風呂でもしゃべっちゃいけないんですね!座禅をするところではしゃべってはいけない。だから、座禅のスタートは鐘などを鳴らすのが合図だそうです。なるほどね~。

②読経

2階に上がるとすでに30人くらいの常連さんたちが座っていました。男性がやや多くて、年齢もやや高めという印象。でも、若い人もいました。読経は般若心経です。ちゃんと般若心経が書かれた紙を渡されるので初心者でも読めます。

③住職の法話

ここの住職は平井正修さんという結構有名なお坊さんです。なぜ有名かというと、一般向けの書籍をたくさんだしているんですね。実は私も持っています。

お坊さんにならう こころが調う 朝・昼・夜の習慣

お坊さんにならう こころが調う 朝・昼・夜の習慣

 

 法話は「無門関」でした。私が通ってる寺と同じ題材でした。これはまあ、正直あんまりおもしろいものではありません。だいたい、なにいってるのかよくわかりません(住職のせいではありません)。

④座禅

25分を2回行います。座禅というと、棒でかーっつと叩かれるイメージがあると思いますが、臨済宗では座禅している本人が希望した場合だけ叩かれます。そのやりかたは事前に説明されるので安心してください。いまは冬ということで右・左4回ずつ叩かれます。私は事前説明の時間にモデルとして叩かれました。結構痛いです。それにしても、寒い!ガタガタ震えながら座禅をしました。いつもと環境がちがうせいか、最初の25分はかなりきつかった・・・。

⑤再び読経

再び読経。こんどは四弘誓願などを唱えます。これもカンペがあるので安心して読めます。

⑥三拝

スクワットみたいなことをします。一瞬で終わります。初心者はうまくできません。私もできませんでしたが、だいたいみんなそうなので気にする必要はありません。

⑦茶礼

茶礼は初めてだったので一番緊張しました。給仕(?)さんが小走りでやってきて、茶碗とお菓子を差し出されます。それをさっさっと取っていきます。さらにお茶を注いでいただけるので、これもちゃっちゃっと。そしてみんなすごい勢いで茶をすすり、お菓子をほおばり、そして素早く返却して、はい終了!数分で終わります。最後は各人、座布団を片付けておしまいです。初参加者は1階に戻ります。

⑧質問時間

事前説明とはうってかわってやさしそうな方。作務衣を着ていて、たぶん、お坊さんではないでしょうね。「みなさん、いかがでしたか?」とほっこりするような笑顔で語ってくれました。

 

以上です。座禅時間が25分×2回とけっこう長いので、正直、座禅初心者にはお勧めしません。かなりきついと思います。あと、冬は寒すぎ。良い点としては、茶礼や読経、三拝などがあること。座禅のエッセンスを体験できます。私が通っている寺では座禅と読経と法話で1時間。全生庵の2時間は座禅会として長い方だと思います。

ご興味あるかた、是非参加してみてください!

山岡鉄舟ゆかりの寺「全生庵」