てらがよい日記

お寺という名の異世界に通って感じたこと

「三密」は密教の最終奥義である

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小池東京都知事コロナウイルスの感染防止のために「三密」を避けることを呼びかけました。

小池知事の指す三密とは、密集・密接・密閉のことです。

さて、この「三密」という言葉は、仏教の用語としてあることをご存知でしょうか。

空海が開いた「真言宗密教)」に「三密」があるのです。

小池知事が知っていたかどうかは知りませんが、真言宗における3つの密とは「身」「口」「意」です。

真言宗金乗院は三密を次のように説明しています。

三密の修行とは、 ・身密(身体・行動) ・口密(言葉・発言) ・意密(こころ・考え)を整えることです。 「行動・言葉・こころ」の3つを整えることで、自分自身が仏さまであることに気付き、 「生きたまま仏さまになる、即身成仏(そくしんじょうぶつ)」を達成するのです。

先日、私がニコニコ動画のテクノ法要を聞いていると、蝉丸P氏という禅僧が、

真言宗で三密というのは『悟りを得るための最終奥義』みたいなものだから、三密を避けようと言われると戸惑う(笑)」

というようなことを(正確には覚えてませんが)おっしゃっていました。

今世間では三密が不吉な言葉として使われていますが、真言宗では悟るための重要なキーワードのようです。今の時期であれば、さしずめ、

意密:家にいようと考える

口密:家にいます!と口にする

身密:実際に家にいる

といったところでしょうか。

外出時は密集・密接・密閉を避けつつ、自宅では三密修行を心がけたいと思います。