てらがよい日記

お寺という名の異世界に通って感じたこと

ダルマさんがいた「少林寺」のガッカリな今

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蒸し暑い季節になりました。午前中が雨だったせいか、空気がむわっとしていました。寺に続く坂道を歩いて、到着する頃には汗がじっとりです。

今日の座禅は短めで20分くらいで終わってしまったので、消化不良でした。

老師が途中から参加して、法話の時間になりました。

鳥のさえずりは、いつの間にかカエルの鳴き声に変わっていました。ゲココゲコココ。耳を澄ましていると、お寺の鐘がゴーンと鳴り響きました

 

今日の題材は「『無門関』第四則 胡子無髭」です。内容はサッパリわかりませんでした。だいたいいつもそうです。

ただ、老師の話は大変おもしろかった。

題材にある「胡子(こす)」とは、ダルマ(達磨)さんを指すそうです。『ダルマさんが転んだ!』の、あのダルマさんです。

老師の話は、むかし、中国の「少林寺」に行ったときの思い出から始まりました。少林寺はダルマさんが座禅をしていた寺です。

老師が少林寺に初めて行ったとき、それはさびれた寺だったそうです。迎えに来た僧は、気の毒なほどやせほそっていました。これには理由があります。中国では1960年代から70年代にかけて起きた文化大革命によって、仏教や儒教は政府から徹底的に弾圧されていました。中国の仏僧は受難の時代だったのです。

少林寺の僧は老師に寺の貴重品の一つを「5万円で買ってくれ」と持ちかけたそうです。それが持ち帰れないほど大きなものなので老師は断りましたが、唐の時代の大変貴重なものだったそうです。

 

そんな少林寺ですが、「少林拳」(ちなみに日本の少林寺拳法とは別物無関係)でいまではすっかり有名になり、寺の周りでは少林拳を売り物にする商売が盛んだそうです。

さて、気になってググって調べてみたところ、最近は僧侶が食べ物や記念品を販売しているようです。「行くとガッカリする観光地」として香港のメディアに取り上げられていました。寺といえど、俗物と関係を断つことはできないようです。

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