てらがよい日記

お寺という名の異世界に通って感じたこと

2023-01-01から1年間の記事一覧

メリークリスマス&ペイフォワード

今週は寺町の料理店に、およそ1年ぶりに行きました。入店するとすぐに、7、8席がぎゅうぎゅう並ぶ小さな店のカウンターから、さらに小さな店の主が「お久しぶりです」と笑いました。ご無沙汰してます、忘れられないように来ましたと私が言うと、「ええ?…

わたあめのような仏教

9月最後の週。新型コロナのせいで、ずっと止まったままになっていた、座禅を自由にしてよい境内の一角が、いつの間にか再開していました。3年ぶりくらいでしょうか。 10月も間近というのに、夕方になっても気温は下がらず、28度。額からふきでる汗に煩…

人生舞台の役者たち

寺までの細い道を歩いていると、灰色の視界の向こうから、くぐもったスピーカーの「大雨洪水警報」を告げる声が流れてきました。6月上旬、季節外れの大雨が関東を襲って、朝から先も見えないほどの土砂降り。朝10時までカフェでコーヒーを飲みながら、い…

『Do not stand at my grave and weep』

「クロが眠るお寺に行こう」。ちょっとした旅行気分で妻に声をかけたのは、5月の終わりのことでした。 11年ほど一緒に暮らしたウサギのクロが昨年の6月5日に亡くなって、もうすぐ1年が経ちます。クロのなきがらは業者の手を経て、千葉県の木更津にある…

望まぬ花が咲いたなら

久しぶりにコップを購入しました。冬の終わりに咲く、ミモザの絵柄の丸いグラスです。いくつかある花言葉の1つには「感謝」があるそうです。メッセージ性のあるグラスです。さて、年始からバタバタして、寺には行ったり、行かなかったり。忘れたらいけない…

一瞬一瞬に決着をつける

今年最初の座禅会への参加で、若そうなお坊さんが、会の合間にこんな話をしました。 年末年始は特別な時期で、多くの人が1年を振り返る。とはいえ、年の終わりに1年を振り返る人はいても、毎日毎日を振り返る人はそう多くはないだろう。先日、自分が和歌山…