てらがよい日記

お寺という名の異世界に通って感じたこと

2022-01-01から1年間の記事一覧

報われなさの1年を終えて

年始のブログ記事を振り返ると、2022年の抱負は「言葉を超えて『空』を考える」でした。けれども振り返ってみれば、よくもわるくも心がかき乱され、もがき、苦しみ続けた一年だったように思います。 10年ともに暮らしたウサギのクロが初夏に他界したこ…

ゴディバ・ジャパンの社長の禅と弓修行

最高の瞑想 (プレジデント2022年 9/16号) [雑誌] 作者:PRESIDENT 編集部 プレジデント社 Amazon ビジネス雑誌「ダイヤモンド」の9月16日号の特集、「最高の瞑想」は、雑誌としてはおどろくほど情報が充実していました。なかでも、禅の広まった過程を紹介…

修験の山

朝、起きると、前日の大雨はやみ、青空から陽の光がさしていました。宿泊した美術館のようなホテルで、朝ごはんをとり、温泉の露天風呂につかり、書籍に囲まれた図書室で前日読み逃した社会学の本を読んで、それから、山に向かうことにしました。山岳信仰、…

人生の自由

東京が栄えていることをしめす、ひとつの証拠のようなものが、夜の羽田から飛び立つ飛行機から見える、宝石箱のようにきらびやかな夜景にあるように思います。羽田発、山形行きの最終便に乗ったのは20時過ぎ。わずか一時間という空路にしてはあまりにも短…

ムダな悩み

境内を流れる狭い水路のそばの苔の生えた小さな岩の群れの上に、収穫を迎えた梅の実がコトリと落ちていました。まだ7月だというにはあまりにも暑い、猛暑続きだったこの夏の始まりに、久しぶりに朝の座禅会に参加したのは、ちょうど今から1月ほど前のこと…

ラジオの時間

台本通りに行くことは、まずないですよ。ラジオは番組が始まると、構成作家さんの事前の警句通り、台本なんて始めからなかったみたいに進みました。直前まで自宅で考えていた回答予習の中身は、私の中からすぐに消えて、20分という生放送の8割以上を、ア…

さよなら、愛しのうさぎさん

朝、目覚まし時計が鳴るよりも早く、ふと目が覚めて、もう少し寝ようかと思ったけど、すぐにうさぎのクロのことが頭をよぎりました。クロ、体調悪いんだ。起きて、様子を見なきゃ。リビングのケージを覗き込むと、うさぎはじっとしてました。少し前に突き出…

クロの世界と、私たちの世界

人間で言えば80歳くらいの老体にしては毛並みも良くて丈夫だったクロが、突然、食べることもできなくなったのは、4月30日の、いつもよりかなり冷え込んだ朝のことでした。あ、これは体調がかなり悪いんだ、と私が不安を覚えたのも束の間、数日の間にク…

「すべては空」という考え方のゆるさ「『金剛般若経』全講義」

『金剛般若経』全講義 作者:守也, 岡野 大法輪閣 Amazon 年末年始にかけて「『金剛般若経』全講義」という書籍を読みました。非常に面白かったです。これほど読んで良かったと思えた仏教書は、藤田一照さんの「現代坐禅講義」以来です。 本書は金剛般若経の…

遠州先染織物 遠赤外線冬用作務衣は驚きの軽さだった

この冬は新しい作務衣をおろしました。ふるさと納税で購入した「遠赤外線キルト作務衣 榛地織物」です。ネットでは2万3100円で販売されています。 遠赤キルト作務衣 | 小学館の総合通販サイトPAL-SHOP 私は今まで、5000円くらいのフリース素材の作…

2022年の抱負 言葉を超えて「空」を考える

262文字の、たいそう短い「般若心経」というお経を、生活の中で口ずさむことが増えたのは、2021年の途中からだったように思います。夜がふけるころ、会社から帰宅して、静かなリビングで、一人でそっと般若心経を唱えると、不思議と心が落ち着くこと…